平成の吹奏楽を振り返る 「5金特演」の廃止 昭和の時代が終わったと感じる出来事でした。

ロータリー部分

 「新しい年号は平成であります。」

 当時の小渕官房長官から「平成」が発表されたとき、少々居心地の悪さを感じてしまったことを思い出しました。

 新しい年号に変わった頃、テレビで頻繁に使用されていたのが「激動の昭和」という言葉。昭和の出来事を特集した番組が放映される度に使用されていたように思います。

 

 確かに昭和という時代は、太平洋戦争の開戦やその終戦、高度経済成長、東京オリンピック(第1回)など、「激動」を名乗るのにふさわしい大きな出来事がありました。

 平成の終わりについては、「平成を振り返る」という言葉がテレビ番組のキャッチフレーズで沢山使用されているようですね。

 

 今回はその「平成を振り返る」というキーワードへ便乗して、吹奏楽的に平成を振り返ってみようと思います。

 題して、じぷた的「平成の吹奏楽を振り返る」です。それでは行ってみましょう。

平成を代表する出来事

 平成の吹奏楽を勝手に振り返るこの企画。
 じぷた的に一番の出来事は「5金特演の廃止」です。

 「5金特演」と書くと一般には何のことかわからない方も多いことでしょう。「ゴキントクエン」、何それって感じですね。

 

5金特演とは

 これは全日本吹奏楽コンクールにおいて過去に適用されていた制度です。
 全国大会で5年連続金賞を受賞した団体は翌年の予選等には出場せず、全国大会に招待されて特別演奏を行うというもの。

 予選の免除やシード権とは違い「特別演奏」としてステージに上がるので、金銀銅といった評価の対象にはなりません。

  一口に5年連続といいますが、これは本当に大変なことなのです。
 中学校でも高校でも3年で卒業ですから生徒が完璧に入れ替わります。加えて顧問の先生も入れ替わる可能性があります。

  一般の部や職場の部ではメンバーの入れ替わりは中学高校ほどではないでしょうが、それでも5年は長いです。
  

* * * * * * *

 ちなみに全日本吹奏楽コンクールの黎明期から参加していて、尚且つ現在(2018年度)も全国大会に出場した団体があります。出雲市立第一中学校です。

 この団体は全国大会への出場回数が46回で中学校部門全国最多(全国大会での金賞受賞回数も中学校部門では全国最多)を誇る伝統校なのですが、それでも5金での特演は2回となっています(3出制度等、別の規定による特演や休みはあります)。

 5年連続での全国大会金賞受賞は至難の業なのです。
 仮に9年間で8回全国大会金賞を受賞したとしても、5金には届かない可能性がありるくらいですから。
* * * * * * *

ピアノ

 

 

 

 

 

この制度がもたらしたもの 

 さて、現在の40代半ばが第二次ベビーブームの頂点です。5金特演は1970年から始まり、1995年まで続きましたので、吹奏楽人口が最も多い時期に適用されていた制度だと言えます。

 この制度がもたらしたもの、それは「激烈な競争」と「心に刺さる演奏」。

 5金を達成して特演を行うことは、当時、最高の栄誉だった言えるわけですが、全国大会の常連校が3年連続で金賞を取り始めると、周囲も意識し始めるようでした。

 

 じぷたも、そして吹奏楽仲間も、コンクールの結果が掲載されているバンドジャーナルを興奮して読んでいました。

 5金の期待がかかる団体がブロック大会などで姿を消したりすると、自分とは関係ないのに残念がったりしたものです。

 

 5金を達成するような団体とは一切関係のないじぷたであっても激烈に興奮していたくらいですから、当事者たちは相当にプレッシャーを感じていたであろうと推察します。
 そして練習量はコンクールが近づくにしたがって増えていったことでしょう。

 その重すぎるプレッシャー、驚異的な練習量から生み出される演奏は、多くの吹奏楽愛好者の心を打ちました。

 熱すぎる演奏は、CDによる録音からでも背中がビクビクくるような感動を与えてくれました。

 

まとめ

 5金特演の廃止後は、3金制、3出制といわれるシステムを経て、現在は出場回数による出場制限はなくなりました。

 直近の成績や出場回数等による出場制限はなくなりましたが、かといって5金特演制度が復活しているわけではありません。

 現在のシステムで生み出される演奏と比べてどちらが良いのか、という疑問には誰も答えることができないわけです。

 しかし、気合とか根性とか数値に表すことができないものを唯一の頼りにして、ある意味非効率で、そして膨大な練習量から生み出される演奏は、いかにも昭和的な湿り気ただよう演奏だったのではないかと思い返すのです。

 

 別にウェットが良くて、ドライが悪いということを言いたいわけではありません。
 ただ、その当時の吹奏楽を取り巻く空気や熱は、現在のものと比べて数値に表すことのできない違いがあるということを言いたかっただけなのです。

 

 「5金特演」が廃止になったことで、じぷたは昭和の終わりを感じました。それは平成になってから数年もたった頃でした。

 「合言葉は根性と気合」、「練習は量が大切」、「涙と汗で彩る青春」。

  そんな世相から生み出される昭和の演奏からは、現在とは違った空気や鼓動を感じることができるかもしれません。
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました